返金・キャンセルのルール
返却レバー・返却ボタンの機能
返却方法には回転式と押しボタン式があり、用途によって使い分けています。返却レバーは乱雑に扱われる為、特に構造が複雑な回転式の場合には強度が求められます。返却レバーの役目には大きく分けて2つの働きがあります。
- 硬貨がアクセプタ内に詰まった場合、返却レバーや返却ボタンでアクセプタ内の通路を広げて硬貨を返却口へ排出します。自動販売機や自動精算機には、返却レバー・返却ボタンが用意されていますが、自動釣銭機の場合には、返却レバー・返却ボタンは付いていません。コインメックや電子セレクターを利用する場合には、返却レバー・返却ボタンが必要になります。(重要)
- 決済中断を返却レバーや・返却ボタンで行います。決済中断の処理は返却レバーや・返却ボタンが押されるとコインメックが信号を出力します。投入した硬貨や紙幣を戻す処理は、上位側のプログラムで用意する必要があります。
- 高額紙幣対応の還流式紙幣識別装置(リサイクルビルバリ)も同様に決済中断の処理を行った際には、投入した紙幣を戻さなければなりません。したがって還流式紙幣識別装置の仕様によっても変わりますが、必ず各紙幣の最大入金枚数の制限が必要になります。
- オクトでは自動返却ユニットをご用意しています。コインメックを用いた自動販売機や自動精算機、自動券売機、KIOSK、パーキング、医療用会計機、ベンダー、コインロッカー、コピー複合機などには、つり銭・返却レバー(Inlet return lever)がありますが、自動返却ユニットにより、これまでの複雑な機構を必要とせず、トグルスイッチや接点で制御が可能になり、悪質な返却レバーの連打による硬貨センシング回路の負担を軽減します。
下記写真はコインメックの投入口に溜まった硬貨です。硬貨が詰まる原因は、2秒以内に硬貨を連続投入した場合や曲がった硬貨、粘着物が付いた硬貨が投入された場合です。返却レバー・返却ボタンによりアクセプタの通路を広げることで詰まった硬貨が解消されます。
コインメックの返金(返却)機能
コインメックは、10円硬貨・50円硬貨・100円硬貨・500円硬貨それぞれの最大投入枚数が決まっており、返却レバーの操作によって投入されたすべての硬貨を確実に返却します。
メーカーや機種ごとに最大投入枚数が異なるため、注意が必要です。必ずメーカーの仕様書をお確かめください。
電子セレクターや機械式(振子式)セレクター、比較式セレクターには返金(返却)機能がありません。 硬貨投入最中に、投入金額と表示されている金額が違う、余分に硬貨を投入してしまったが返金されないなどのトラブルを防ぐ意味でも返金(返却)機能が必要です。
下記の写真は、自動返却ユニットの返却レバーにあたるリターンユニット(ACR-S4300)です。悪質な返却レバーの連打を防止します。制御側の「Ejector Unit ACR-E8310」と合わせてお使いください。
ビルバリの返金機能
ビルバリは通常、紙幣1枚のみを受け付けるため、返金する枚数も1枚です。しかし、中には紙幣の連続投入が可能な機種もあり、エスクロ機能を使う場合は最後に投入した紙幣しか返却されません。それ以前に投入した紙幣は、スタッカーに格納されてしまいます。その金額分はコインメックの500円硬貨で返金します。 しかし、チューブ内に500円硬貨が何枚残っているかによって、受け入れ可能な紙幣の枚数は変わってきます(※ コインメックのカセットをはずしたり、電源をON/OFFした場合には、枚数はリセットされます)。
高額紙幣対応の還流式紙幣識別装置(リサイクルビルバリ)を使った場合には還流部の紙幣で返却が可能になります。しかし、1金種還流や2金種還流の機能を有した紙幣識別装置でも高額紙幣の枚数を制限する必要があります(重要)。3万円以上で使う場合には4金種還流の紙幣識別装置、又は1万円紙幣が還流可能な紙幣識別装置が必要になります。