コラム、ベンドとは
「コラム」、「ベンド」とは
自動販売機や自動券売機などでいう「コラム(Column)」とは、商品を収納するスペースのことです。コラムが1つのものを「シングルコラム」、複数あって何種類もの商品を扱えるものを「マルチコラム」と呼びます。
一方、「ベンド(Vend)」は「販売する」という意味の言葉です。「マルチベンド」は、一度の入金で複数の商品を購入できる機能です。たとえば千円札や500円硬貨を入れて、180円と210円の商品を続けて選び、まとめて購入できます。これに対して「シングルベンド」は、商品(価格)が決まってから入金して購入する方式です。
マルチベンドの制御が複雑になる理由
マルチベンドでは、お金を先に入れ、あとから商品が選ばれます。そのため上位側(販売機全体を制御する側)は、どの商品が選ばれても、つり銭をきちんと払い出せるかを判断しなければなりません。ところがコインメックは、カセット内の硬貨が何枚あるかを正確に数えているわけではありません。海外のコインチェンジャーには、超音波でカセット内部の硬貨枚数を測れるものがあります。一方、40年以上前から仕様が変わっていない国内のコインメックは、磁気コイルを使ったセンサーがカセットの決まった位置に付いているだけです。センサーは、つり銭として使える最低限の高さに置かれているため、分かるのは「100円硬貨が13枚±3枚程度ある」といったおおまかな状態にとどまります。
正確な枚数は、硬貨の出し入れを数える内部カウンターで覚えています。しかしコインメックには、電源を切っても数字を保持するメモリーバックアップがありません(当時の設計では搭載すること自体ができませんでした)。そのため、電源を入れ直したり、カセットを外したりしただけで内部カウンターがリセットされ、その後はセンサーが反応する枚数に達するまで、つり銭が「ある」か「ない」かしか分からない状態になります。
自動販売機の金額表示の下にある「100円」「10円」のつり銭切れランプを見たことがある方も多いと思います。このランプが点灯しているときは、コインメックが100円や10円をつり銭として払い出せない状態であることを示しています。「つり銭の有無が分かるなら、マルチベンドも使えるのでは」と思われるかもしれませんが、分かるのは「ある・ない」だけで、何枚払い出せるかまでは分かりません。
このため、マルチベンドに対応するには、制御基板や上位側の制御が複雑になります。同時に電子決済端末を使う場合に「シングルベンド」が一般的なのは、この理由からです。CBDX や CBEZシリースでは、「マルチコラム・マルチベンド」方式には、ライブラリ方式やダイレクト方式を採用していただいて、「マルチコラム・シングルベンド」方式には簡易コマンド方式やマネージャー方式を採用していただいています。
「つり銭合わせ」と運用の変化
カセット内の硬貨枚数を整える「つり銭合わせ」には、コインメックが初めから持っている「簡易つり銭合わせ」と、制御側でプログラムする「つり銭合わせ」の2種類があります。簡易つり銭合わせは、内部カウンターが覚えている枚数を、あらかじめ設定した枚数に合わせるだけの簡単な方法です。硬貨が多い場合は設定枚数になるまで払い出して減らし、少ない場合は硬貨投入口から追加で入れて補います。電源の入り切りやカセットの取り外しをしなければ、内部カウンターは硬貨の入出金に合わせて働き続けます。上位側はこのカウンターを参考にしながら、マルチベンドを利用できます。飲料の自動販売機は24時間稼働し、カセットを外さずにつり銭合わせを行う運用のため、「マルチコラム・マルチベンド」方式を採用しています。ただし、商品の種類が多い機械でも「マルチコラム・シングルベンド」で使う場合もあります。
一方、時代とともに「つり銭合わせ」自体を使う場面は少なくなりました。現在は、コインメックのカセットを複数用意し、カセットを入れ替えて金庫からは回収のみと管理する運用が多くなっています。また、飲料の自動販売機のように24時間稼働する機械ばかりではなく、営業時間に合わせて電源を入り切りする機械も増えました。電源を切るたび、カセットを外すたびに内部カウンターはリセットされるため、本来カセットに入っているはずの硬貨があっても、コインメックはその枚数を把握できません。こうした運用では、つり銭の残りを前提にするマルチベンドは使いにくく、商品(金額)が決まってから入金するシングルベンドが一般的になっています。
「マルチコラム」「マルチベンド」:CBEZ-Pro / CBEZ-Column
「マルチコラム」「シングルベンド」:CBDX-Standard / CBDX-M400 / CBDX-EP / CBDX-EP M400 / CBEZ-MiNi
「ダイレクト方式」: CBDX-D
